職種や国ごとのAI利用を探索
ATLASは、Gemini App、Google AI Mode、Gemini APIにまたがる集計済みのデータを使い、AI利用の傾向を職種別・国別に確認できるインタラクティブな公開版だ。対象は150超の国、140言語、800職種、4,000以上のタスクに及ぶ。データの基盤は約1,500万件のインタラクションで、方法論では正確な標本数を14,653,926件としている。
Googleによると、インドの仕事関連AI利用では、芸術・デザイン・メディア職が19%を占め、世界平均の1.6倍だった。米国では、コンピューター・数学職が仕事関連AI利用の30%を占め、米国以外の世界の約2倍となっている。こうしたデータから、国や職種によってAIの利用領域がどのように異なるかを比較できる。
科学研究で週約7時間を節約
同時に公開された「AI in Science: Early Insights」は、Google、Google DeepMind、MIT FutureTechによる共同研究だ。約1,500万件のGemini関連インタラクション、2,690件の専門AIモデルの目録、米国と英国の科学者637人を対象にした調査を組み合わせ、科学分野でのAI利用を分析した。
調査では、回答者のほぼ半数が何らかのAIを毎日利用していた。また、AI利用者は平均で週7時間弱を節約したと自己申告しており、節約時間の多くは追加の研究活動に再投資されたという。一般的な大規模言語モデルは分析、コーディング、文書作成などに、専門AIモデルは予測、データ生成、分類、シミュレーションなどに比較的多く利用されており、両者は補完関係にあると分析されている。
生産性向上の一方、検証負荷も増加
研究は、AIによる時間短縮だけでなく、その後に必要となる確認作業にも焦点を当てている。科学者の41%は、未検証の仮説が蓄積していると回答した。時間を節約した回答者のうち89%は、節約時間の10%以上をAI出力の確認に使い、46%は25%以上を確認に費やしている。
また、4割超の回答者は、過去2年間で主要な制約が、実験室での実行、臨床検証、フィールドデータ収集などの下流工程へ移ったと回答した。AIによって、基準や結果が確立された、より安全で漸進的な研究課題に向かう傾向があるとした科学者は49%。一方、よりリスクの高い課題に取り組みやすくなったとの回答は28%だった。
ATLASはAIの普及状況を国・職種別に確認するためのデータを提供し、科学研究の調査は、AIが研究時間を生み出す一方で、検証と実行の重要性を高めていることを示している。なお、科学者調査は2026年7月27日から8月11日に米英で実施されたオンラインの自己申告調査で、論文自身が科学者全体を代表するものではないと説明している。