3段階の違い
今回追加された設定は、自動モデル選択でモデルを選ぶ際の優先順位を変えるものだ。
- Efficiency:コストの低さを優先。迅速で単純なタスク向け
- Balance:コスト、品質、応答遅延を総合的に考慮。日常的な作業向け
- Intelligence:回答品質を優先。複雑なタスク向け
3段階で利用できるモデルの集合そのものは同じで、Tierによって候補モデルが固定的に分けられるわけではない。各プロンプトに対して、どのモデルを優先して選ぶかが変わる仕組みだ。たとえば「Intelligence」を選んだ場合でも、タスクが単純であれば小型・低コストのモデルが選ばれることがある。
タスクごとにモデルを自動選択
Copilotの自動モデル選択は、タスクの複雑さやリアルタイムのモデル稼働状況、可用性などを考慮し、タスクごとにモデルを選ぶ。今回の設定は、この自動ルーティングに対して、ユーザーがコストと品質などの優先度を指定できるようにする拡張といえる。
そのため、選択したTierに固定料金が設定されるわけではない。利用料金は、実際に選ばれたモデルと、入力・出力・キャッシュされたトークン数に基づいて計算される。現在の使用量ベース課金では、1 AI creditは0.01米ドルに相当する。また、GitHubはモデルの切り替えを自然なキャッシュ境界に沿って行い、キャッシュ関連の追加コストを避ける設計だと説明している。
有料Copilotプランでは、自動モデル選択の利用分についてモデルコストの10%割引が適用される。公式ドキュメントでは、Copilot Chat、Copilot CLI、GitHub Copilot app、Copilot cloud agentが対象として記載されている。
対象クライアントと利用時の注意点
3段階のTier設定は、発表時点でVisual Studio Code、Copilot CLI、GitHub Copilot appに段階的にロールアウト中だった。自動モデル選択全体の提供範囲と、今回のTier設定を利用できるクライアントの範囲は異なるため、利用環境ごとに確認が必要になる。
候補となるモデルは、契約プラン、利用クライアント、管理者ポリシー、モデルの提供状況などの影響を受ける。管理者が除外したモデルや、契約プランで利用できないモデルは候補に含まれない。
Copilot FreeとCopilot Studentでは、モデルへのアクセスが自動モデル選択経由に限定されると公式プラン文書に記載されている。ただし、3段階のTier設定が利用できるかどうかは、別途クライアント単位で定義されている。
今回の変更により、単純な作業ではコストを抑え、複雑な作業では品質を優先するといった使い分けを、手動でモデルを選び続けることなく指定できるようになる。費用と回答品質のどちらを重視するかが異なる開発者やチームにとって、自動モデル選択の挙動を調整するための設定となる。